自分の過去の話もひと段落ついたと思うので、別のことを書きます。

みなさんは、忘れられない女の子がいますか。
お気に入りの女の子、一度しか入っていない女の子、もう辞めてしまって会うこともかなわない女の子・・・

風俗で出会ってきた女の子の中で、特に印象深い女の子のことを書いていこうと思います。
いろいろあると思いますが、ブログを書いている時点ではまだ在籍していて、会いにいける子を書きたいと思います。できる限り、KAKU-BUTSUで調査に入ったときの子ではなく、自腹で出会った子の話をします。
ただ、そういった強烈に印象に残る子というのは、そうそう出会うものでもないので、またダラダラした更新になりそうですが・・・


僕はメイドが好きだ。
いや、メイドというよりは、メイド喫茶が好きなのだと思う。
あそこでは、全員が何かに対して前のめりになっている。そして、自分だけはメイドを“推す”こともできず、常連同士のトークを楽しむこともできず、ましてや萌え萌えキュンもできるはずもない。
それでも、あの場で拒絶されることはない。
どこへ向かうこともできないまま、自分だけが浮ついた空間に取り残されているというのは、案外心地のいいものだ。

少し前の話。
そういえば、メイド喫茶は好きなのにメイドとプレイしたことはなかったなと思い、秋葉原メイドちゃんねるへ電話をかけた。
店員さんに電話をかけてオススメを聞くと、普段は予約で埋まっている、るーなちゃんがキャンセルが出たため開いていると教えてくれた。プロフィールを見ても悪い感じはしないので、るーなちゃんを予約しホテルで待った。

秋葉原メイドちゃんねるは秋葉原と書いてはいるが、錦糸町のお店だ。
ちなみに錦糸町萌えちゃんねると在籍がほぼ被っているが、まあ系列を名乗っているし悪い印象はない。
鶯谷のホテルを指定したので、少し時間がかかる。
ホテルのドアがノックされる。扉を開ける。

・・・

はじめての体験だった。顔を見た瞬間、混乱した。ただ混乱した。
かわいい子が来て戸惑ったわけでもなく、一目見て地雷と思ったわけでもない。ただただ混乱してしまった。

こんな子が風俗にいるのか、という感想しか出てこなかった。
想定外過ぎて、普段は笑顔で何かを言っているところなのに、険しい顔で「こんばんは」と言うことしかできなかった。
そのくらい、第一印象だけでペースを支配できるような女の子だった。

顔は別段整っているというわけではない。面食いの男性であれば、テンションが下がる部類であるかもしれない。
しかし、顔立ちや漂わせている雰囲気が本当に強烈なものを持っていた。違和感と言ってもいいかもしれない。
人間誰しも初対面は緊張する。風俗やキャバクラなどでも初めての際は、自分の持っている圧力のようなものを、お互いできる限り潜めて、だんだんと自分というアンプのボリュームを上げていく。そういうものだと思う。

しかし、混乱から覚め、彼女を初めて見たときまず思ったのが「アンプのつまみが接着剤か何かで固定されている・・・」ということだった。


世間話をしていても、距離は縮まらない。しかしそれは余所余所しいということではなく、昔からお互いをよく知っていたような、地元の友達に偶然駅で会って、立ち話をしていたときのような、そんな距離感に近いものを感じていた。
まだ自分は混乱していた。このようなことを考えているのだから、当然である。

今まで自分がしてきたことは、多くのタイプに対する安牌を増やす作業であったことを実感させられた。
まったく出会ったことのないタイプに対して、自分は立ちつくしてしまった。
自分は負けを認めてしまった。
ここから彼女に対して、マウントを取ることはできない。この後の60分間でやれることは、彼女にマウントを取られてボコボコに殴られても、絶対にタップをしないことだけだ。

「えっとさ、俺メイドが好きなんだよね。それでメイドさんって性欲の対象にしたことがなかったから、そっち方面でもメイドが好きなのか確かめたくなって。」
と言った。我ながら最低の答えだ。飲み込まれているとはいえ、こんな言葉しか出てこないだなんて。

自分が力ない答えを返しても、彼女は同じ圧力で言葉を返す。
「わかりました~。じゃあるーなが、ご主人様のためにいっぱいがんばっちゃいます~」
どれだけ強く言葉を放っても、彼女からは同じ圧力で帰ってくるのだろう。そんな気がした。

シャワーを浴びて湯船に浸かって、彼女がメイド服に着替える。
彼女は「メイド服を着た女の子」ではなく、「俺の望んだメイド」そのものだった。
何の躊躇いも、何の衒いもそこにはなかった。彼女自身もそこにはなく、ただメイドだけが立っていた。

人間はここまで何かを演じることを極められるものなのか、と素直に感心した。

それは努力もあるが、彼女自身の素質も大きいと思う。
確かに、純粋なイメージプレイをする相手として、るーなちゃんは最高だろう。
常に予約で埋まっている理由もわかる気がした。

あとは自分が、ただただ中にある欲望を吐き出せばいいだけだった。
マウントを取ったまま殴ってくれと言ったら、彼女はそのまま殴ってくれるだろう。
こちらが何かを恥ずかしそうに頼む。彼女はふたつ返事で承諾する。
自分は何かを演じることがとても恥ずかしい、SMで感じる恥ずかしさは、それがそのまま材料になる。
しかし彼女はそれをすべて飲み込んで、そのまま僕の恥ずかしさなどないもののように、100%のメイドとして打ち返してくる。
彼女の演じる引力に引かれて、自分もどんどんと「ご主人様」になっていく。

少しずつ、演じることに違和感を感じなくなってゆく。
ラブホは屋敷になり、壁の装飾は本棚に、ベッド脇のパネルはランタンに、恥ずかしさは背徳へと変わって行く。
世界の輪郭が少しずつ溶けてゆく。

すべてが溶けきって、射精をした。悪くなかった。
プロフィールにあるとおり、フェラはとても上手かったです。

プレイが終わって、何かを演じることの難しさを話した。
彼女は「自分にとってはこれが自然だから、難しいと感じるのがそもそもよくわからない」と答えていた。
それを受けて自分が何と言ったのかは、よく覚えていない。

素直にすごいと思った。演じるという一点だけで、他者をここまで引き込めるというのは、並大抵のことではない。
本当に凄い子だと思う。

思い出していたら、どうオチをつければいいのかわからなくなってしまった。

彼女はイメクラの中で、完成されたひとつの形であると思う。
僕のように、何か感動を覚える人もいると思う。

これを読んでくださって、行きたくなった方(いるかわかりませんが)は、なかなか予約の取れない子なので、予約は早め早めに取ってください。コスプレ好きの男性も、風俗ズレしてしまった男性も、何か感じることがきっとあると思います。



それでは、また!